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滞納管理費問題

1.はじめに

管理費等の滞納の問題は、どのマンションでも問題となりうることです。
管理会社が入っている場合には、管理委託契約上、ある程度の督促行為まではやってもらえることになっているのが一般的でしょう。
ただ、管理の主体が管理組合であることや、理事者は区分所有者からの委任を受けていることなどから、放置しておくことはできない問題です。
また、放置した場合には、他の区分所有者へ与える影響も度外視できません。延滞者が増加するとマンションの管理そのものが立ちゆかなくなり、重大な問題にもなります。

2.まずは管理会社を通して請求

管理会社と管理委託契約を締結している場合、通常契約の内容として、一定の督促行為はやってもらえることとなってます。契約書の内容を確認した上で、管理会社に動いてもらうよう指示しましょう。
マンションの標準管理委託契約書については、こちら参照(国土交通省のサイト)

3.内容証明郵便での督促手続

管理会社からの再三の請求にもかかわらず、支払がなされないということになると、理事会としてもなんらかの対処をする必要が出てきます(管理会社との関係は、管理委託契約によりますが、基本的な発送として管理の主体は「管理組合」(その理事会)だという発想が必要です)。
さて、それではどのようなことが必要となってくるでしょう。
もちろん、まずは会ったり、手紙を出したりということも考えられるでしょう。しかし、この段階までに管理会社から再三催告しても支払がない、場合によってはほとんど接触できないという場合が多いでしょう。この場合、あまり話し合いは期待できません。
とすると、理事会・理事者としては、内容証明郵便で督促(催告)を行うことをおすすめします。
内容証明郵便によって、心理的に働きかけることもできますし、また、一定の場合には管理費の消滅時効の完成を一旦阻止する効果もあるからです。理事会として、やるべきことをやっていることの証にもなります(他の区分所有者から任務怠慢を言われないために)。
注)内容証明郵便での請求は民法上の「催告」(民法153条)にすぎず、6ヶ月以内に裁判上の請求などを行わなければ、時効の中断の効果を生じないとされておりますので、ご注意下さい。
内容証明郵便によって、延滞者が反応を示せば、具体的な支払の交渉の余地も出てくるでしょう。この際に、現実の支払ができなくても、「承諾書」のようなもので、延滞分を承認させるだけでも時効中断の効果があるので、意義があります。
内容証明郵便については、こちら(郵便事業株式会社のサイト)
内容証明郵便のサンプルについては、こちらから→催告書(496KB).pdf
承諾書のサンプルはこちら→承諾書(240KB).pdf
なお、管理費に時効については、発生から5年とされてます。詳細はこちらの判例

4.支払督促手続

さて、内容証明郵便を送っても全く反応がないといった場合、理事者としては何らかの法的措置を検討した方がよろしいかと思います。それは、時効の中断のためです。
これを忘れ、時効にかけてしまったということになると法律的には責任問題にも発展しかねないので注意が必要でしょう。
そして、法的措置を検討する場合、簡易な方法として支払督促があります。
支払督促は、金銭の支払いを求めるような場合に、郵送の申立だけで済み裁判所に出向く必要もありません。また、費用も訴訟の約半分ですみます。
そして相手方から異議が出なければ、確定判決類似の効果が得られるので(民事執行が可能となるなど)、やってみる価値はあると思います。
ただし、相手方から異議が出されれば民事訴訟に移行してしまいますので、ご注意を。
支払督促手続の概要についてはこちら(裁判所ウェブサイト)
支払督促の申立書サンプル→支払督促申立書.pdf(裁判所の書式を元に作成)

5.民事訴訟

支払督促手続のおいて異議が出された場合や当初から訴訟を提起した場合には、通常の民事訴訟手続を利用することとなります。
支払督促と違い、裁判所に原則として理事長が原告代表者として出頭しなければなりません
なお、訴える額が140万円以下の場合は簡易裁判所、これを超える場合は地方裁判所が管轄となります。
民事訴訟において、相手方が出席し、争ってきた場合にはそれなりの期間がかかることが予想されます(半年から1年くらいがメド)。
相手方が欠席したり、争わない場合には、比較的短期間で裁判は終了すると思われます(訴え提起から2,3ヶ月がメド)。
また、民事訴訟の場で裁判上の和解を勧められることもありますが、管理費の請求の場合は、どのような和解ができるのか、他の区分所有者との関係もあるので基本的に理事長が判断することは難しいのではないでしょうか。
和解することなく訴訟が終結した場合には、判決が出されることとなります。
民事訴訟についてはこちら参照(裁判所のサイト)

6.民事執行

以上までの支払督促や民事訴訟の判決を取得しても、それだけで自動的に債権が回収できるわけではありません。
これらの債務名義をもとに、債務者すなわち滞納者の財産を差し押さえる必要があります。
債務者の財産としては、例えば、給与銀行預金が対象となるでしょう。なお、居室そのものももちろん対象となりうるのですが、多くのケースで住宅ローンなどの担保となっており、ほとんど余剰がない場合も多いのが実情です。
民事執行手続きについてはこちら(裁判所のサイト)

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